2012-03-29 (木) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!
本文注釈:孫子 兵法 大研究!
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『故に之れを効すに計を以てし、以て其の情を索む。』:本文注釈
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竹簡孫子以外の諸本では『故に之れを校ぶるに計を以てして、其の情を索む。』につくる。
七つの計がここでは列挙されているが、計は七つと限定しないで解釈したほうがよい。戦に関係ないようなどんな些細なことでも情報収集をおこない、活用することで、勝負の帰趨が決まる。「故」の字は「だから」などの意味のほかに、孫子兵法の文においては、昔から伝わっている有名な言い回しの言葉や、以前に孫子が言った言葉を指している場合が度々ある。また、「故」の字は文章をまとめただけの意味で用いられることがあり、訳すときは、単に改行するだけの方が良い場合もある。
註
○天野孫子:「故」-前文から後文が展開することを示す役割をしているが、ここでは後文が前文の「凡此五者将莫不聞、知之者勝、不知者不勝」から展開するものではない。文意上、後文は「経之以五事、一曰道、二曰天、三曰地、四曰将、五曰法」から展開する。それは軍備をなすことを示すものであり、一方、後文は両国の軍備を比較することを述べている。従って「故」は、両国間にいよいよ事が急な時、そこでの意を表わす。一説に『詳解』は「故の字は上の二句(知之者勝と不知者不勝)を受く」と。
○重沢孫子:五事についての各論が終わったので、いよいよ五事を含む七つの事項について、彼我の実態を比較計量し、勝敗の条件を探索する段階に入ります。
○守屋孫子:さらに、次の七つの基本条件に照らし合わせて、彼我の優劣を比較検討し、戦争の見通しをつける。
○田所孫子:校之以計とは、敵と味方との道天地将法の五事をくらべ合せて、計算するとの意。而索其情とは、敵と味方の実情を探索するとの意。
○諺義:此の故の字は、上の句をうけたる言也。五事をしるものは勝ち、知らざるものは勝たず、ここを以て此の五事を彼我に引合せてはかるを計と云ふ。物をかぞへてはかるは皆計の字也。このすべ(術)の七つをかぞへあげて、いづれか有餘不足とはかる、是れ乃ち計也。此の一句、重ねて之れを言ひて七計の發端とする也。
○孫子国字解:故とは、上の文をうけて、かやうにあるゆへにと云意なり。上文にある如く、五事の至極に通達する人は勝ち、通達せぬ人はまくるゆへに、此五事を目録にして、是にて敵味方をくらべはかり、目算して、その軍情をもとむると云意なり。
○孫子評註:是れ所謂計なり。而して此の一段は是れ一篇の主意なり。 ○計と五事とは唯だ是れ同意にして、而も又未だ嘗て相犯さず。但し五事は道と法と最も重く、計は則ち主と将と最も重し。「將、吾が計を聽く」以下に至りては、専ら將を以て重しと為して看よ。他の言各々當るあり。
○曹公:其の情を索むとは、勝負の情なり。
○杜佑:其の勝負の情を索む。索の音山格に反す。捜索の義なり。
○杜牧:上の五事を謂う。将に聞知せんと欲す。彼我の優劣を校量・計算し、然る後に其の情状を捜索すれば、乃ち能く必勝す。爾ざれば則敗る。
○賈林:書に云わく、知ることは之れ艱しからず、行なうは之れ惟だ難し、と。
○王晳:當に盡く知るべし。言うこころは五事を周知すと雖も、七計を待つを以て其の情を盡すなり。
○張預:上已に五事を陳べる。此れより下、方に彼我の得失を考校し、勝負の情状を探索すべし。
意訳
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○金谷孫子:それゆえ、[深い理解を得た者は、七つの]目算で比べあわせてその時の実情を求めるのである。
○浅野孫子:そこで観念論に陥る危険を避け、彼我の死生の地や存亡の道を明瞭に策定するため、優劣を具体的に比較・計量する基準を双方に当てはめる手段を用い、実際に両者の実情を探索してみるのである。
○町田孫子:だから、真に理解している者は、七つの計算で敵味方の力量を比べあわせて、その実情を求めるのである。
○天野孫子:事急な時、そこでいよいよ彼我両国の軍備を比較するのに、優劣の数を計算して、彼我両国の実情を求め知る。
○フランシス・ワン孫子:戦争計画を立案するに当っては、次の要素をつぶさに吟味し、比較検討せねばならない。
○大橋孫子:よく知るには、次の七つの条件を検討して状況判断する。
○武岡孫子:こうして軍事力を整備しているうちに、かねてから憂慮されていた国との関係が悪化し、戦うか否かの国策を決めなければならなくなったときは、先の五つの基本要因に沿って相手国の最新情報を集め、次の七つの要因に基づいてさらに細かく現状をよく捉えたうえで双方の戦力比較をしなければならない。
○学習研究社孫子:そこで、比較によって力量を判断し、我と敵の実情を知るのである。
○著者不明孫子:そこで、七計について彼我を比較することによって、実情をとらえるように努める。
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『故に之れを効すに計を以てし、以て其の情を索む。』:本文注釈
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竹簡孫子以外の諸本では『故に之れを校ぶるに計を以てして、其の情を索む。』につくる。
七つの計がここでは列挙されているが、計は七つと限定しないで解釈したほうがよい。戦に関係ないようなどんな些細なことでも情報収集をおこない、活用することで、勝負の帰趨が決まる。「故」の字は「だから」などの意味のほかに、孫子兵法の文においては、昔から伝わっている有名な言い回しの言葉や、以前に孫子が言った言葉を指している場合が度々ある。また、「故」の字は文章をまとめただけの意味で用いられることがあり、訳すときは、単に改行するだけの方が良い場合もある。
註
○天野孫子:「故」-前文から後文が展開することを示す役割をしているが、ここでは後文が前文の「凡此五者将莫不聞、知之者勝、不知者不勝」から展開するものではない。文意上、後文は「経之以五事、一曰道、二曰天、三曰地、四曰将、五曰法」から展開する。それは軍備をなすことを示すものであり、一方、後文は両国の軍備を比較することを述べている。従って「故」は、両国間にいよいよ事が急な時、そこでの意を表わす。一説に『詳解』は「故の字は上の二句(知之者勝と不知者不勝)を受く」と。
○重沢孫子:五事についての各論が終わったので、いよいよ五事を含む七つの事項について、彼我の実態を比較計量し、勝敗の条件を探索する段階に入ります。
○守屋孫子:さらに、次の七つの基本条件に照らし合わせて、彼我の優劣を比較検討し、戦争の見通しをつける。
○田所孫子:校之以計とは、敵と味方との道天地将法の五事をくらべ合せて、計算するとの意。而索其情とは、敵と味方の実情を探索するとの意。
○諺義:此の故の字は、上の句をうけたる言也。五事をしるものは勝ち、知らざるものは勝たず、ここを以て此の五事を彼我に引合せてはかるを計と云ふ。物をかぞへてはかるは皆計の字也。このすべ(術)の七つをかぞへあげて、いづれか有餘不足とはかる、是れ乃ち計也。此の一句、重ねて之れを言ひて七計の發端とする也。
○孫子国字解:故とは、上の文をうけて、かやうにあるゆへにと云意なり。上文にある如く、五事の至極に通達する人は勝ち、通達せぬ人はまくるゆへに、此五事を目録にして、是にて敵味方をくらべはかり、目算して、その軍情をもとむると云意なり。
○孫子評註:是れ所謂計なり。而して此の一段は是れ一篇の主意なり。 ○計と五事とは唯だ是れ同意にして、而も又未だ嘗て相犯さず。但し五事は道と法と最も重く、計は則ち主と将と最も重し。「將、吾が計を聽く」以下に至りては、専ら將を以て重しと為して看よ。他の言各々當るあり。
○曹公:其の情を索むとは、勝負の情なり。
○杜佑:其の勝負の情を索む。索の音山格に反す。捜索の義なり。
○杜牧:上の五事を謂う。将に聞知せんと欲す。彼我の優劣を校量・計算し、然る後に其の情状を捜索すれば、乃ち能く必勝す。爾ざれば則敗る。
○賈林:書に云わく、知ることは之れ艱しからず、行なうは之れ惟だ難し、と。
○王晳:當に盡く知るべし。言うこころは五事を周知すと雖も、七計を待つを以て其の情を盡すなり。
○張預:上已に五事を陳べる。此れより下、方に彼我の得失を考校し、勝負の情状を探索すべし。
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○金谷孫子:それゆえ、[深い理解を得た者は、七つの]目算で比べあわせてその時の実情を求めるのである。
○浅野孫子:そこで観念論に陥る危険を避け、彼我の死生の地や存亡の道を明瞭に策定するため、優劣を具体的に比較・計量する基準を双方に当てはめる手段を用い、実際に両者の実情を探索してみるのである。
○町田孫子:だから、真に理解している者は、七つの計算で敵味方の力量を比べあわせて、その実情を求めるのである。
○天野孫子:事急な時、そこでいよいよ彼我両国の軍備を比較するのに、優劣の数を計算して、彼我両国の実情を求め知る。
○フランシス・ワン孫子:戦争計画を立案するに当っては、次の要素をつぶさに吟味し、比較検討せねばならない。
○大橋孫子:よく知るには、次の七つの条件を検討して状況判断する。
○武岡孫子:こうして軍事力を整備しているうちに、かねてから憂慮されていた国との関係が悪化し、戦うか否かの国策を決めなければならなくなったときは、先の五つの基本要因に沿って相手国の最新情報を集め、次の七つの要因に基づいてさらに細かく現状をよく捉えたうえで双方の戦力比較をしなければならない。
○学習研究社孫子:そこで、比較によって力量を判断し、我と敵の実情を知るのである。
○著者不明孫子:そこで、七計について彼我を比較することによって、実情をとらえるように努める。
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