2012-04-12 (木) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!
本文注釈:孫子 兵法 大研究!
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『士卒孰れか練いたる、』:本文注釈
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士卒-(古くはジソツとも)①武士(士官)と兵卒。②兵士。軍兵。
士-①一人前の男子。学徳のある、りっぱな人。女子にもいう。②官位を有し、人民の上に立つ者。役人。昔、中国で、卿・大夫の下に位する官僚。③兵卒を指揮する者。もののふ。さむらい。四民のうち最上位の身分。④ある資格を有する者。【解字】男子の性器の象形。おとこの意を表す。
卒-①上官の身の回りの世話をする下級の兵士・従者。②にわか。あわただしい。③おわる。おえる。④死ぬ。「卒去そっきょ・しゅっきょ」四位・五位の人についていう。⑤ついに。③④⑤は正しくは字音「シュツ」だが、④の「卒す」以外は慣用的に「ソツ」とよむ。【解字】会意。上半部は「衣」。「十」を加えて、うわっぱりを着て十人ずつ一隊となって行動する下級の兵士の意。
練-①ねる。くり返し手をかけて質をよくする。きたえる。②ねれる。なれる。【解字】形声。「糸」+音符「柬」(=よりわける)。生糸を煮て不純物を除去する意。
註
○守屋孫子:六、兵卒は、どちらが訓練されているか。
○重沢孫子:第六は、もう一つの決定要素と見られる戦闘技術の長短。人対人の直接的なぶつかり合いが主で、戦車戦はまだそれほど普及していない状態ゆえに、個人の技術に大きな比重がかかっていた。熟練度は勝敗を分ける大きな要因でした。
○著者不明孫子:【士卒】戦士・兵士。上の「兵衆」と同じものを指すことになるが、ここでは、「兵衆」は軍隊の兵員を総体的にとらえていい、「士卒」のほうは個々の人員を取り上げていったもの。なお、「士」(卿・大夫・士の士。身分階級の名。軍隊では下級幹部となる)と「卒」(一般の兵卒)とを分けて「士卒」と並称したとも考えられる。
○諺義:士は甲冑を帶する兵士也。卒は足軽等の歩卒也。練とは兼て軍事をねりならはしむるのこと也。故に両国の士卒いづれ(か)練不練を考ふる也。士卒にはねると云ひ、兵衆には強と云ふ、尤も精しき意味あり。兵衆は大概土地の風俗による、士卒は主将の常々のをしへによることなるゆゑ也。一字と云へども、おろかならざる心得也。練と云ふは鍛錬の義也。つねづね内習を詳にいたして、金鼓旌旗を以て、耳目を練り、狩漁技藝を以て進退往来せしめて、其の手足を練り、下知法令約束を以て、其の心をねる、是れ古来兵を教ふるの法也。
○孫子国字解:練とは、熟することなり。熟するとは、法に熟するを云。旗合符しをよく覺へ、金太鼓の合圖をよくわきまへ、備を分け、備を合せ、懸るも引も、起つも坐くも、よく合圖を違へず、手間とらず、馳引達者にて、武藝に調練したることなり。敵味方何れかかやうなると、たくらべはかることを、本文にかく云へり。
○杜佑:知るや誰か兵器強ければ利なる。士卒簡びて練う者なり。故に王子曰く士は素より習わざれば、陳に当りて惶惑す。将素より習わざれば、陳に臨みて闇變す。
○梅堯臣:車騎[兵車と騎馬。また、車馬にのった兵。]閑に習わば、孰れの國か精粗[くわしいことと大まかなこと。こまかいこととあらいこと。]ならん。
○王晳:孰れの訓之れ精[①しらげる。米をついて白くする。②くわしい。こまかい。綿密。③えりすぐられて、まじりけがない(もの)。エキス。④たましい。㋐生命の根源。元気のもと。㋑山川の神。もののけ。㋒まごころ。【解字】形声。「米」+音符「靑」(=よごれのない澄んだ水の色)。よごれなくしらげた米の意。転じて、まじりけのない心の意。]なり。
○何氏:勇怯・強弱なり。豈能く一概[①すべてを同じにみて一つにすること。ひとしなみ。一様。②あることをそうだと思いこむこと。また、強情。頑固。]ならんや。
○張預:離合・聚散[離合集散(聚散は集散に同じ。)-はなれたり集まったりすること。分離したり合併したりすること。]の法なり。坐作・進退[坐作進退-すわることとたつこと。たちい。動作。]の令なり。誰か素より閑に習う。
意訳
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○金谷孫子・大橋孫子:士卒はどちらがよく訓練されているか、
○浅野孫子:兵士はどちらが軍事訓練に習熟しているか、
○天野孫子:いずれの士卒がよりよく熟練していようか。
○武岡孫子:将兵はどちらの軍隊がよく訓練されているか。
○町田孫子:兵士はどちらが訓練されているか、
○フランシス・ワン孫子:将兵は、何れの方がよりよく訓練されているか。
○著者不明孫子:士卒はどちらがよく訓練されているか、
○学習研究社孫子:第六に、士や兵卒は、どちらのほうが訓練されているか。
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士卒-(古くはジソツとも)①武士(士官)と兵卒。②兵士。軍兵。
士-①一人前の男子。学徳のある、りっぱな人。女子にもいう。②官位を有し、人民の上に立つ者。役人。昔、中国で、卿・大夫の下に位する官僚。③兵卒を指揮する者。もののふ。さむらい。四民のうち最上位の身分。④ある資格を有する者。【解字】男子の性器の象形。おとこの意を表す。
卒-①上官の身の回りの世話をする下級の兵士・従者。②にわか。あわただしい。③おわる。おえる。④死ぬ。「卒去そっきょ・しゅっきょ」四位・五位の人についていう。⑤ついに。③④⑤は正しくは字音「シュツ」だが、④の「卒す」以外は慣用的に「ソツ」とよむ。【解字】会意。上半部は「衣」。「十」を加えて、うわっぱりを着て十人ずつ一隊となって行動する下級の兵士の意。
練-①ねる。くり返し手をかけて質をよくする。きたえる。②ねれる。なれる。【解字】形声。「糸」+音符「柬」(=よりわける)。生糸を煮て不純物を除去する意。
註
○守屋孫子:六、兵卒は、どちらが訓練されているか。
○重沢孫子:第六は、もう一つの決定要素と見られる戦闘技術の長短。人対人の直接的なぶつかり合いが主で、戦車戦はまだそれほど普及していない状態ゆえに、個人の技術に大きな比重がかかっていた。熟練度は勝敗を分ける大きな要因でした。
○著者不明孫子:【士卒】戦士・兵士。上の「兵衆」と同じものを指すことになるが、ここでは、「兵衆」は軍隊の兵員を総体的にとらえていい、「士卒」のほうは個々の人員を取り上げていったもの。なお、「士」(卿・大夫・士の士。身分階級の名。軍隊では下級幹部となる)と「卒」(一般の兵卒)とを分けて「士卒」と並称したとも考えられる。
○諺義:士は甲冑を帶する兵士也。卒は足軽等の歩卒也。練とは兼て軍事をねりならはしむるのこと也。故に両国の士卒いづれ(か)練不練を考ふる也。士卒にはねると云ひ、兵衆には強と云ふ、尤も精しき意味あり。兵衆は大概土地の風俗による、士卒は主将の常々のをしへによることなるゆゑ也。一字と云へども、おろかならざる心得也。練と云ふは鍛錬の義也。つねづね内習を詳にいたして、金鼓旌旗を以て、耳目を練り、狩漁技藝を以て進退往来せしめて、其の手足を練り、下知法令約束を以て、其の心をねる、是れ古来兵を教ふるの法也。
○孫子国字解:練とは、熟することなり。熟するとは、法に熟するを云。旗合符しをよく覺へ、金太鼓の合圖をよくわきまへ、備を分け、備を合せ、懸るも引も、起つも坐くも、よく合圖を違へず、手間とらず、馳引達者にて、武藝に調練したることなり。敵味方何れかかやうなると、たくらべはかることを、本文にかく云へり。
○杜佑:知るや誰か兵器強ければ利なる。士卒簡びて練う者なり。故に王子曰く士は素より習わざれば、陳に当りて惶惑す。将素より習わざれば、陳に臨みて闇變す。
○梅堯臣:車騎[兵車と騎馬。また、車馬にのった兵。]閑に習わば、孰れの國か精粗[くわしいことと大まかなこと。こまかいこととあらいこと。]ならん。
○王晳:孰れの訓之れ精[①しらげる。米をついて白くする。②くわしい。こまかい。綿密。③えりすぐられて、まじりけがない(もの)。エキス。④たましい。㋐生命の根源。元気のもと。㋑山川の神。もののけ。㋒まごころ。【解字】形声。「米」+音符「靑」(=よごれのない澄んだ水の色)。よごれなくしらげた米の意。転じて、まじりけのない心の意。]なり。
○何氏:勇怯・強弱なり。豈能く一概[①すべてを同じにみて一つにすること。ひとしなみ。一様。②あることをそうだと思いこむこと。また、強情。頑固。]ならんや。
○張預:離合・聚散[離合集散(聚散は集散に同じ。)-はなれたり集まったりすること。分離したり合併したりすること。]の法なり。坐作・進退[坐作進退-すわることとたつこと。たちい。動作。]の令なり。誰か素より閑に習う。
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○金谷孫子・大橋孫子:士卒はどちらがよく訓練されているか、
○浅野孫子:兵士はどちらが軍事訓練に習熟しているか、
○天野孫子:いずれの士卒がよりよく熟練していようか。
○武岡孫子:将兵はどちらの軍隊がよく訓練されているか。
○町田孫子:兵士はどちらが訓練されているか、
○フランシス・ワン孫子:将兵は、何れの方がよりよく訓練されているか。
○著者不明孫子:士卒はどちらがよく訓練されているか、
○学習研究社孫子:第六に、士や兵卒は、どちらのほうが訓練されているか。
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