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孫子研究ブログです。孫子兵法は別名『孫子兵経』、『SUNTZU』、『The Art of WAR』ともよばれています。ナポレオンや毛沢東も愛読していました。注釈者には曹操、杜牧、山鹿素行、荻生徂徠、新井白石、吉田松陰、等の有名人も多いです。とにかく深いです。

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2013-01-20 (日) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!

本文注釈:孫子 兵法 大研究!

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『公家の費、破車罷馬、兵戟矢弩、甲冑楯櫓、丘牛大車、十に其の七を去る。』:本文注釈

⇒意訳に移動する

竹簡孫子では「十に其の七」となっており、それ以外の諸本では「十に其の六」となっている(六か七かは、どちらでもそんなに変わりはないから気にする必要はないだろう。)。「兵戟矢弩」、「甲冑楯櫓」の語も、本によって若干表現が違う。


公家-こう‐か【公家】朝廷。官家。おおやけ。

破車-やれ‐ぐるま【破れ車】こわれた車。

罷-①中途でやめる。中止する。②官職からしりぞける。やめさせる。③つかれる。疲。④まかる。退出する。日本での用法。つとめをやめて帰る意から。【解字】会意。「罒」(=あみ)+「能」(=力がある)。力のある者があみにかかって動けなくなる、つかれる、の意。

甲冑-かっ‐ちゅう【甲冑】‥チウ 鎧と冑。戦闘に際して戦士が身体を保護するためにまとう武具。平時も用心のために、または儀礼に威儀を添えるために着用することもあった。





○金谷孫子:『公家の費、破車罷馬、甲冑弓矢、戟楯矛櫓(戟楯蔽櫓)、丘牛大車、十に其の六を去る。』
 矢弩-武経本・平津本は「矢弓」。桜田本は「弓矢」で『御覧』と合う。
 蔽櫓-武経本・平津本・桜田本では「矛櫓」。『御覧』も同じ。
 其六-古注に一本では「其七」とあるという。竹簡本と合う。

○浅野孫子:兵戟-ここでの兵は、矛や戈などの武器・兵器の意。戟も兵の一種であるから、戟だけ別にして兵と並べるのは厳密さを欠くようであるが、古代の文献にはこうした表現がしばしば見られる。
 丘牛-まるで丘のような巨牛と解する説もある。しかし、物資の運搬には極めて多数の牛が動員されるが、それらがすべて丘のように巨大であったとは考えにくい。前記の兵賦の中には、丘ごとに馬一頭と牛三頭を供出する規定が存在した。ゆえに丘牛は、荷車の牽引用に、丘里より軍役の一環として徴発した牛を指すと解するのがよい。

○町田孫子:『公家の費は破車罷馬、甲冑弓矢、戟楯矛櫓、丘牛大車、十に其の六を去る。』
 ○宋本は「矢弩」とある。桜田本や『太平御覧』の引用によって改めた。
 ○宋本は「蔽櫓」とあるが、諸本にしたがう。

○天野孫子:○公家之費  「公家」は朝廷。以下朝廷の費用の主な品目を挙げる。
 ○破車  損傷した戦車。
 ○罷馬  疲労した馬 
○甲冑  「甲」はよろい。「冑」はかぶと。
 ○矢弩  『七書』は「矢弓」、他の『武経』は「弓矢」に作る。『古文』も同じ。「弩」は石弓、矢や石などをばねじかけで射る強弓。
 ○戟楯  「戟」は二つの枝のあるほこ。「楯」はたて。
 ○蔽櫓  車の上に立てる大きなたて。『武経』『古文』は矛櫓に作る。「矛」はほこ。
 ○丘牛大車  「丘牛」は丘役の牛。「丘役」参照。『詳解』は「蓋し牛馬は皆是れ公家の物なり。平常無事の時丘甸の民但(ただ)之を畜養するのみ」と。一説に大牛と。李筌は「丘は大なり」と。「大車」は輜重車。張預は「大車は必ず革車ならん。始め破車・疲馬と言ふは、攻戦の馳車を謂ふ。次に丘牛・大車を云ふ。丘牛とは丘は大なり。大きな牛と云ふことなり。その牛をかけて引かする大車のことなり」と。以上の品目はいずれも戦闘に用ひるものと解する。前段の文に「用を国に取」るとあり、その用とは以上の品々と解するからである。車と馬のみ、破車・罷馬とあるのは、「十去其六」を後に誤解して役に立たなくなったものを意味するとして、「破」「罷」を後から附加したのであろう。一説に『直解』は「車破損して馬罷困し、甲冑・弓矢・戟楯・矛櫓・丘牛・大車に至るまで或は損壊し或は遺失す」と。『発微』も「車・馬は破・罷と曰ふ。而るに甲冑・弓矢以下は破・罷と曰はず。是れも亦省文なり」と。
 ○十去其六  戦闘に用ひる器材、その補給など、戦闘力を維持するために費す費用が、朝廷の収入の十分の六に当たる。残りの十分の四は朝廷の維持費となる。趙本学は「公家に於て之を計るに、破車・罷馬と器用とに費すこと、其の財の官に在る者、十分して当に其の六を去るべし」と。一説に前述のように、諸器材など破損、罷困、遺失して、公家の費用の十分の六を去ると。『新釈』は「政府の費用に於ては、戦車を破損し軍馬を疲労せしめ、其の他、甲冑弓矢、戟盾矛櫓、輜重車等、凡ての破損を計算すれば、政府の全財産の十分の六が消費し去られる」と。百姓が十去其七で、公家が十去其六であるのは、朝廷は他国との友好などの体面上のことなどがあって、その維持費がかかるものであろう。一説に「十去其七」と「十去其六」とは互文であると。『国字解』『正義』『発微』などがそれである。これに対し『評註』は「七を去り、六を去るは、百姓を重くして言ふ。互文に非ず」と。なお『孫子集註』に、一本は「十去其七」と作る、と。李筌本がそれ。

○フランシス・ワン孫子:註  「矢弩」は「弓矢」、「蔽櫓」は「矛櫓」となっているテキストもある。また、「十に其の六を去る」は、一本には「十に其の七を去る」と作る、と。仏訳はこれをとっている。

○守屋孫子:蔽櫓  大盾でおおった攻城用の兵器。
 丘牛  大牛に引かせた輜重車。
 また、国家財政の六割までが、戦車の破損、軍馬の損失、武器・装備の損耗、車輛の損失などによって失われてしまう。

○重沢孫子:国の経済的損失は、破損車両・廃馬・甲冑・矢・大弓・戟・楯・大型の楯・大牛・輜重車などで、十のうちその六を消耗している。

○田所孫子:○公家之費、破車罷馬、甲冑弓矢、戟楯矛櫓、丘牛大車、十去其六とは、公家すなわち卿大夫のような家では、車は破れ、馬はなくなり、その他甲冑弓矢、戟楯矛櫓、農耕用の牛、貨物輸送車等々貨財や武器等の六割が徴発されてなくなるとの意。

○大橋孫子:公家-国家
  戟-大型なほこ
  矛-小型なほこ
  櫓-大型なたて
  丘牛-役牛

○武岡孫子:公家の費-国家の経費
  櫓-大型のたて
  丘牛大車-役牛の牽引する大きな運搬用の車

○佐野孫子:○公家之費  「公家」は、君主の家、王室、国家。ここでは国家財政の意。
 ○破車罷馬  「破車」とは、破損した戦車(軽車)。「罷」は「疲」と同じで「罷馬」とは、疲労して走るに耐えられない馬の意。
 ○甲冑矢弩  「甲」は「革製のよろい(金属製を鎧という)。「冑」は兜。「弩」は石弓(ばねじかけで矢や石を射る武器)。
 ○戟楯蔽櫓  「戟」とは、枝刃のある矛の意。「楯」はたて。「蔽櫓」とは、おおだて(戦車の上で防禦する武具)。
 ○丘牛大車  「丘牛」は輸送用に徴発した丘役の牛。「大車」は輜重車(重車)。

○著者不明孫子:【公家】公(国家・官)の機関をいう。
 【罷馬】「罷」は疲れる意。
 【戟楯矛櫓】「戟」と「矛」とはともにほこの一種。「楯」は盾とも書く。たて。「櫓」は大きな盾。地上に立て並べて矢や石を防ぐ。
 【丘牛大車】「丘牛」は大牛(李筌・張預の説)。上文の「破車罷馬」は戦闘用の馳車についていい、「丘牛大車」は輜重運搬用の革車についていったものとする張預の説が分かりよい。「丘牛」は丘役として徴収する牛、「大車」も賦課として徴収する兵車とする説(曹操など)もあるが、それでは「公家の費」に含めがたい。

○孫子諺義:『公家の費、車を破り馬を罷(つか)らかし、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、丘牛大車、十にして其の六を去る。』
 公家はおほやけ也、朝廷を指す。車馬甲冑矢弩は字の如し。弩は大弓也、あやつりを以て大弓をはつて大矢を射出すを云ひ、遠きを射、大勢を射る弓也。戟はほこ也、ほこは今のやりの類也。楯はたてなり。蔽櫓は士卒をおほふ大たて也。又蔽は士卒をおほふ小屋具・陣具。帷幕の類也。一本に蔽を矛に作る、矛も又ほこ也。丘牛は民の役にて出しおく牛也。又云はく、丘は大也、大牛と云ふ心也と。大車は雜具荷物をつむ車也。破車罷馬の車はいくさ車也。以上是れ等のつひえ朝廷又十にして六分の失あり。一本に十其の七を去るとある本之れ有り。廣註(書名、李卓吾著)に云はく、但言ふ國用足らざれば、勢必ず足を民に取り、百姓則(財カ)竭くるに到る。直に是れ奈何ともす可き無し。此れ武子喫緊人を打動する處、費を算せざるを得ざるの意を見る。案ずるに、力屈し財殫き、中原内家に虚なるときは、百姓之費十にして其の七を去るとあるときは、車を破り馬を罷かし、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、丘牛大車、公家之費十にして其の六を去るとかくべきを、孫子文を倒にして、互に相守りてかける也。兵書の内孫子が文章尤も奇文多し。

○孫子国字解:上三段には下の費を云て、此段には上の費のことを云へり。公家とは、公はおほやけとよう。家は國家の意にて、上の意のことを公家之費と云なり。甲はよろひ冑はかぶとなり。倭訓には取違て、甲をかぶと冑をよろひとよめり。矢弩は、矢はやなり弩は弩弓なり。弩弓を云へば常の弓もこもるなり。異朝には多く弩弓を用ゆ。材官蹶張とて、大力の男をえらび、脚にてふませて弓をはらするなり。萬鈞の弩、千鈞の弩とて、弓の至極つよきは、此弩弓にこえたることなし。一放しに矢の二三百も出る様にしかけたるもあり。弩弓ならでは弓の大わざはなきことなり。日本にても、古は大宰府などには、弩師とて弩弓を敎る役人ありて、習はしめたること、古書に見えたり。講義本には、矢弩を矢弓に作り、開宗説約大全などには、弓矢に作る、今集注本に從ふなり。戟楯とは戟はほこなり。かぎの二つあるほこなり。十文字のるいなり。楯はたてなり。蔽櫓は車の上に立る大盾なり。一本には矛櫓とあり。矛は長刀の如くにて、かぎのあるほこなり。丘牛大車とは、兵糧をはこぶ大車を云。丘牛とは、丘は大なり。大きなる牛と云ことなり。その牛をかけて引かする大車のことなり。一説には、前に注せる丘甸の法にて、五百七十六家より、牛十二疋を出すにより、民より軍役にて出す牛を丘牛と云とも云へり。然れば牛をば民より出し、車をば上より申付ると見えたり。十去其六と云は、是も過半の損亡と云ことなり。前の百姓の費には、十去其七と云ひ、ここの公家の費には、十去其六と云たるは、兩方文を互にして、十に六七を失ふと云ことなり。かたかたには七と云ひ、かたかたには六と云たるに拘るべからず。集注本の注に、一本作十去其七とあり、然れば兩方共に、七の字にかきたる本もありと見えたり。此段の意は、上の段にある如く、民百姓の費夥しく、それのみならず、上の費は戦車を打破り、馬もつかれ煩ひ、甲冑弓矢、戟もちたて、大盾小荷駄車まで、十のもの六七は損失するとなり。

○孫子評註:『公家の費(ついえ)、車を破り馬を罷(つから)し、甲冑弓矢、戟楯矛櫓(げきじゅんぼうろ)(戟と矛はほこ。楯と櫓はたて。)、丘牛大車(兵糧を運ぶ大車。丘牛(大きな牛)で引かせるからいう。この語は諸家の別説もある。)、十に其の六を去る。』
 公家の費、百姓の費、首尾に迭置し(前の節には節尾に百姓の費という句があり、この節には節首に公家の費という句を置く。迭置は交互に置くの意。)、章法長短同じからず。而も同じく「十に去る」の句を以て之れを整ふ。七を去り六を去るは百姓を重んじて言ふ。互文(置きかえれば同意になる文のこと。すなわち、ここを互文として解すると百姓の費と公家の費は二者一であって同じことを言ったことになる。)に非ず。

○曹公:丘牛は丘邑の牛を謂う。大車は乃ち長轂車なり。

○李筌:丘は大なり。此の數器は皆軍の須なる所なり。言うこころは遠近の費、公家の物、十に七を損するなり。

○梅堯臣:百姓 財糧力役を以て軍の費を奉じて、其の資十に七を損ぜんや。公家 牛馬器仗を以て軍の費を奉じて、其の資十に六を損ぜんや。是れ以て賦竭き兵窮し、百姓弊す。役急にして民貧しくして、國家虚し。

○王晳:楯は干なり。蔽は以て屏蔽すべし。櫓は大盾なり。丘牛は古の所謂匹馬丘牛なり。大車は牛車なり。易に曰く、大車以て載す、と。

○張預:兵は車馬を以て本と為す。故に先ず車馬疲蔽を言うなり。蔽は櫓楯なり。今 之れ彭排するを謂う。丘牛は大牛なり。大車は必ずや革車なり。始め車破り馬疲れるを言う者、攻戦の馳車を謂うなり。次に丘牛大車と言う者は、即ち輜重の革車なり。公家車馬器械亦十に其の六を損す。


意訳
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○金谷孫子:公家(おかみ)の経費も、戦車がこわれ馬はつかれ、よろいかぶとや弓矢や戟(刃の分かれたほこ)や楯や矛や櫓(おおだて)や、[運搬のための]大牛や大車などの入用で、十のうち六までも減ることになる。

○浅野孫子:一方、政府の経常支出も、戦車の破損や軍馬の疲労、戟をはじめとする武器や矢や弩、甲冑や楯や櫓(おおだて)、輸送用に村々から徴発した牛や大車などの損耗補充によって、平時の七割までもが削減される。

○町田孫子:公家(おかみ)の財政も、戦車がこわれ、馬は疲れ、甲冑(よろいかぶと)や弓矢、戟(ほこ)や楯や矛や櫓(おおだて)、運搬用の大牛や大車の入用で、十のうち六までが失われることになる。

○天野孫子:朝廷においては、その費用の中、破損した戦車、疲労した馬、よろいかぶと、矢と石弓、たてとほこ、大だて、牛と輜重車などの負担で、十分の六を失うに至る。

○フランシス・ワン孫子:政府の出費に関していえば、戦車の破損・軍馬の消耗、甲冑・弓矢・強弓、槍・大小の楯、運搬用の動物・輜重車のなどの補充による出費は、国庫の総計七割にのぼるであろう。

○大橋孫子:国家は破損した馬・甲冑・弓矢・大型ほこ・車用の大たて・役牛・荷車などの更新・補修・休養などのために、国費の六割を失う。

○武岡孫子:国の財政も、戦車はこわれ馬は疲れ、よろいかぶとや弓矢、戟や楯や矛、櫓(おおだて)や運搬用の大牛や大車などは十のうち六までも失ってしまう。

○著者不明孫子:国の財政も、壊れた車や疲れた馬、甲冑や弓矢、矛や盾の類、丘牛や大車などの補給のために十のうち六が失われる。

○学習研究社孫子:国家の費用も、車は壊れ、馬は疲れるという状態で、甲冑・矢・弩・戟・楯・大楯・大牛・大車は、十分の六を消費してしまう。

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