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孫子研究ブログです。孫子兵法は別名『孫子兵経』、『SUNTZU』、『The Art of WAR』ともよばれています。ナポレオンや毛沢東も愛読していました。注釈者には曹操、杜牧、山鹿素行、荻生徂徠、新井白石、吉田松陰、等の有名人も多いです。とにかく深いです。

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2013-02-12 (火) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集:孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集(9)

世界の兵法の歴史に燦然と輝く『孫子』の兵法。その兵法は二千五百年の長きに於いて語り継がれてきた珠玉の名言の数々によって構成されている。あなたもその歴史に触れてみませんか?孫子問題集第九作目を世に今送ります!








【1問目】『孫子』用間篇から問題です。
間諜から得た情報が、まだ表沙汰になっていないうちに、外から耳に入ってきた場合は、その情報をもたらした間諜と、そのことを知らせにきた者とをどうすると孫子は言っているでしょう?

(1)情報源はどこなのかをよく聞き出す
(2)殺す
(3)監禁する
(4)追放する

【2問目】『孫子』九変篇より問題です。
本文に、「故に用兵の法は、其の(1)を恃むこと無く、吾れの以て待つ有るを恃むなり。其の(2)を恃むこと無く、吾が攻むべからざる所あるを恃むなり。」とみえますが、さて、空欄(1)、(2)に入る言葉は次のうちどれでしょう。

(1)(1)来たらざる  (2)攻めざる
(2)(1)退く  (2)進まざる
(3)(1)変  (2)数
(4)(1)守らざる  (2)地の利

【3問目】『孫子』に出てくる言葉で「費留」という言葉がありますが、さて、「費留」の説明として正しい本文の説明はどれでしょう?

(1)五間俱に起こって其の道を知ること莫し
(2)三軍既に惑い且つ疑うときは、則ち諸侯の難至る
(3)軍の進むべからざるを知らずして、これに進めと謂い、軍の退くべからざるを知らずして、これに退けと謂う
(4)夫れ戦勝攻取して其の功を修めざる者は凶なり

【4問目】『孫子』行軍篇より問題です。
敵の軍勢が半進半退しているのは、どういう狙いであると、孫子はいっているでしょう?

(1)陣立てをしようとしている
(2)誘い込もうとしている
(3)退却の準備をしようとしている
(4)決戦の準備をしようとしている

【5問目】『孫子』九地篇より問題です。
本文に、「兵の情は速を主とす。人の及ばざるに乗じて不虞の道に由り、其の(1)を攻むるなり。」とありますが、さて、空欄(1)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)愛する所
(2)備わざる所
(3)戒めざる所
(4)懼れざる所

【6問目】『孫子』九地篇より問題です。
本文で、「将軍の事は、静かにして以て幽(ふか)く、正しくして以て治まる」と、将軍の仕事全般のことをいっており、また、後文で「三軍の衆を聚めてこれを(1)に投ずるは、此れ将軍の事なり」と、戦場における将軍の仕事について語っているが、さて、空欄(1)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)死地
(2)千里
(3)亡地
(4)険

【7問目】『孫子』の作戦篇の冒頭の言葉は次のうちどれでしょう?

(1)孫子曰く、凡そ用兵の法、車騎千駟、革車千乗、帯甲十万…
(2)孫子曰く、凡そ用兵の法、馳車千駟、革車千乗、帯甲百万…
(3)孫子曰く、凡そ用兵の法、馳車千駟、革車千乗、厮徒(しと)十万…
(4)孫子曰く、凡そ用兵の法、馳車千駟、革車千乗、帯甲十万…

【8問目】『孫子』用間篇より問題です。
孫子は間諜には五種類の用い方があるといっています。このうちの一つである「反間」とは次のうちどれでしょう?

(1)味方の間諜に偽り事を伝え、敵に告げさせること
(2)敵の間諜を利用して働かせること
(3)敵の役人を利用して働かせること
(4)敵の村里の人々を利用して働かせること

【9問目】『孫子』勢篇より問題です。
本文に、「衆を闘わしむること寡を闘わしむるが如くなるは、(1)是れなり。」とありますが、さて、空欄(1)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)金鼓
(2)忿速
(3)分数
(4)形名

【10問目】『孫子』勢篇より問題です。
本文に、「故に善く敵を動かす者は、これに(1)敵必ずこれに従い、これに(2)敵必ずこれを取る。」とありますが、さて、空欄(1)、(2)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)(1)怒すれば (2)和すれば
(2)(1)報いれば (2)奉ずれば
(3)(1)形すれば (2)予(あた)うれば
(4)(1)乗ずれば (2)誘えば








【1問目解説】

正解は(2)。

本文には、「間事未だ発せざるに而も先ず聞こゆれば、間と告ぐる所の者と、皆な死す。」と見える。

情報がより重要であるほど、その情報は千金以上の価値があるものであり、その扱いも当然千金以上のものとなる。その情報が戦争の勝負を左右するものであり、国の命運にかかわるものであれば、より慎重な扱いをしなければならない。間(スパイ)はその軍や国の命運を左右する役目を負っており、褒賞も莫大なものを与えられるが、命をそのためには失うことも日常茶飯事であった。彼らは特別な訓練を受け、その隠密性ゆえに歴史の表舞台に出てくることは決してなかった。手練れといわれる者は、そのあまりに巧妙な手口に各国の要人たちに恐れられていたことであろう。彼らは暗殺も手掛け、敵の将軍級の首を狙うこともあった。逆にそれを守るための活動も「間」は行っていたに違いない。これらの活動ができるのも情報収集あってこそである。『孫子』には、人を暗殺するときは、「必ず先ず守将・左右・謁者・門者・舎人の姓名を知り、吾が間をして必ず索めてこれを知らしむ。」とある。

【2問目解説】

正解は(1)。

本文の意訳は、「そこで、戦争の原則としては、敵のやってこないことを当てにして頼りとするのではなく、いつやってきてもよいような備えがこちらにあることを頼みとするのである。また、敵の攻撃してこないことを当てにして頼りとするのではなく、攻撃できないような態勢がこちらに有ることを頼みとするのである。」となる。

人間は自分の命を左右する場面においても、気分次第では人任せにしてしまい、なあなあになってしまいかねない。孫子はこれを強く戒め、備えは完全だと思える位にしておけ、と言っている。この文のあとでは、孫子は「軍を覆し将を殺すは、必ず五危(必死、必生、忿速、廉潔、愛民)を以てす。察せざるべからざるなり。」と、軍隊を滅亡させ、将軍を戦死させるのは、必ずこの五つの危険のうちのどれかであるから、十分に注意しなければならないと言っている。敵よ来ないでくれ、と祈り僥倖を頼りとすることは、油断極まる行為であり、これは五危の一つ、「必生」に当る。勇がなければ折角要害の地を得ても、それを生かすことができず、守ることはままならない。ここの地点さえ攻撃されなければ大丈夫だろう、と思うことは、敵もそう思っていることであり、ここの地点から攻めれば敵を崩すことができると相手に思わせ、敵を誘い込むことになる。弱点をそのまま放置するのではなく、必ず対策をしなければならないのである。

【3問目解説】

正解は(4)。

(1)は用間篇にでてくる「神紀」の説明。

(2)は謀攻篇の「軍を乱して勝を引く」の説明。

(3)は謀攻篇の「軍を縻す」の説明。

この文を意訳すると、「そもそも戦って勝ち、攻撃して奪い取っておきながら、その戦果を収め整えないで無駄な戦争を続けるのは不吉なことである。」となる。

竹簡孫子の本文は若干これと異なる。

戦闘で勝利を得ても、その勝利が大局的に見た場合、何の効果もなかったものであれば、これは無駄な勝利となる。そればかりか時間も、兵士も消耗し、戦略的には失敗であるといえるだろう。それ故に、この文は無駄な戦力の労費を戒めた言葉といえる。
局地戦でいくら勝利を収めても、大局的な勝利を収めなければ意味はない。ゆえにこの本文は、戦術よりも戦略を重んじた言葉であるとも読むことができる。

【4問目解説】

正解は(2)。

(1)は「軽車の先ず出でて其の側(かたわら)に居る者は陣するなり。」で、「戦闘用の軽車を前に出して、軍の両横を備えているのは、陣立てをしているのである。」という意味。

(2)は「半進半退する者は誘うなり。」で、「敵の部隊の半分が進み、半分が退いて統率がとれていないようであるのは、こちらに誘いをかけているのだ。」という意味。これが正解。
これは詭道の一つである。わざとこちらに「虚」の状態をつくり、敵を十分に誘い込んだ上で、味方を「実」に転化させ、狙っている敵部隊を殲滅する作戦である。

(3)は、「辞の強くして進駆する者は退くなり。」で、「言葉つきが強硬で、進攻してきそうなのは、退却の準備である。」という意味。

(4)は、「奔走して兵を陳(つら)ぬる者は期するなり。」で、「忙しく走り回って兵士を整列させているのは、決戦の準備である。」という意味。

行軍篇には、敵がこういう状態の場合には、こういうことである、といった例がたくさん載ってある。これらの例はほんの一例らしく、当時、軍師に敵がこういう状態のようだが、これはどういったことか、と問えば瞬時に答えられたようであるから、様々なパターンを兵法家たちは事前に頭に入れておいていたのであろう。
戦の状況判断は一瞬一瞬が勝負である。軍師はその一瞬に勢いを乗せ、一瞬に軍形を変える指示を出さねばならない。血のたぎる熱き戦場に、独り冷徹な心で戦況を判断しなければならない軍師には、特別な訓練も必要であったであろう。それには必ず戦場に赴くことも必要であった筈である。それらの血の通った兵法の結晶が『孫子』であり、古より二千五百年引き継がれてきた所以なのである。

【5問目解説】

正解は(3)。

本文を意訳すると、「戦争の実情は迅速が第一である。敵の配備がまだ終わらない隙をついて思いがけない方法を使い、敵が警戒していない所を攻撃することである。」となる。

作戦篇に「兵は拙速を聞く」と本文に見える。この文は、「拙速は巧遅に勝る」や「拙速は巧遅に如かず」、「拙速は巧遅に優る」などと一般に言われ、迅速が一番である、という意味に捉えられてきた。ちなみに本文では「巧遅」ではなく「巧久」となっている。これは「巧遅」が「おそくてもうまい」という意味に対し、「巧久」は「長期戦でもうまい」という意味で、厳密に言えば意味が異なる。これはひとまず置いておいて、まず「拙速」の意味であるが、「拙速」は、少々拙くとも速さが第一である、という意味で一般には知られている。しかし、「拙」の意味には『老子』によると、「自然な」や「手をかけない」といった意味があり、「あれこれ余計なことを考えず、素早く行動せよ」というのが、本来の「拙速」の意味であると思われる。それでこそ、敵の不意をつくことができ、大戦果を収めることができる秘訣であろう。

【6問目解説】

正解は(4)。

本文の意訳は、「全軍の大部隊を集めて、そのすべてを決死の意気込みにするような危険な土地に投入する、それが将軍たる者の仕事なのである。」、となる。

「険」とは険しい危険な地形のことであるが、ここの本文の場合、「険」は喩えであり、兵士を背水の陣に追い込めと言っているのである。往く所無き所に兵士を追い込めば、兵士は死にもの狂いで敵と戦う。たとえ味方が敵の数に及ばなくとも、味方の絶対的な状況(地形)の不利が、味方に決死の思いを抱かせることになり、実力以上の力を発揮させることができるのである。ここの本文では、それこそが将軍の仕事であると述べている。決死の場面を潜り抜けてきた者でなければ決して出てくることのない言葉である。

【7問目解説】

正解は(4)。

(2)の「帯甲百万」はもうすこし後の時代になってからのこと。

厮徒とは「めしつかい。しもべ。」のこと。

この問題は『孫子』をよく読んでいる方にとっては簡単だったかもしれないですね。この文からわかることは、孫武生存時は戦の規模はこのくらいが主流だったということでしょう。或いは若干誇張された数字かのどちらかだろうと思われます。

唐の時代の詩聖杜甫の詩にもでてきますが、戦があれば周辺の物価は跳ね上がり、とてもそこには住めなくなり移住を余儀なくされ、遠くの知人を頼りにするしかなかったそうです。なにしろ男手はすべて駆り出され、誰もいないからと言って年よりのおばあさんまでも飯炊きに連れて行かれたというのだから戦場の惨状が目に浮かぶようです。また結婚式の次の日に旦那が駆り出された詩も載っており、戦争の悲惨な現実がよくわかります。

【8問目解説】

正解は(2)。

(1)は死間のこと。

(3)は内間のこと。

(4)は因間(郷間)のこと。

敵の間諜を自分の間諜として働かせる二重スパイは相当貴重な存在である。ちなみに日本では山本勘助が有名である。逆に言えば、自分の間諜が相手の反間となっていないかの警戒を怠ってはならないということである。これは間諜が間諜を相互に見張らなければなかなか見破ることはできないであろう。そのためには互いに疑われることの無いようにするための間諜同士の掟もあったはずである。これらの網をかいくぐって反間として働く間諜はまさに宝石中の宝石であったことであろう。

【9問目解説】

正解は(4)。

(1)の金鼓は形名の一部。形名の一部としては他には旗・幟などがある。

(2)は怒りはやること。

(3)は、本文の「闘わしむる」が、「治むる」になれば「分数」で正しい。

この本文の意訳は、「大勢の兵士を戦闘させても、まるで少人数を戦闘させているように整然といくのは、旗や鳴り物などの指令の道具がそうさせるのである。」、となる。

金鼓などの音が鳴るものは、真っ暗な夜間に効果を発揮し、旗や狼煙などの目で見てはっきりわかるものは日中に効果を発揮する。これらの道具や手段があれば、兵士たちの耳目を一つにすることができ、例え暗闇でも整然とした部隊行動がとれ、より効果的に敵部隊を攻撃することもスムーズに退却することもできるのである。

【10問目解説】

正解は(3)。

この本文を意訳すれば、「そこで、巧みに敵を誘い出すものは、敵にわかるような形を示すと、敵はきっとそれについてくるし、敵に何かを与えると、敵はきっとそれを取りに来る。」となる。この文は、計篇の詭道の一つである、「利にして之れを誘う」の文を詳しく説明したものとも解釈できる。敵を誘うには、自分の形をはっきり敵に示せばよく、そうすれば敵はそれに対応した形をとってくるので、敵をやっつけることができるその時まで十分に引き付けよ、と孫子は言っている。速すぎてもダメ、遅すぎてもダメ、要は釣りと同じであろう。そのタイミングを誤ることなくその時が来たらば相手の様子に合せ素早く対処するということである。それができるのは百戦錬磨の将しかおるまい。軍師は敵の将のレベルに合せた味方の将を繰り出すべきである。この本文にあるような臨機応変の駆け引きこそ戦の醍醐味であり、この駆引きの中に「勢い」を作り出すことができる将こそ「国の宝」とよばれるべきである。










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