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孫子研究ブログです。孫子兵法は別名『孫子兵経』、『SUNTZU』、『The Art of WAR』ともよばれています。ナポレオンや毛沢東も愛読していました。注釈者には曹操、杜牧、山鹿素行、荻生徂徠、新井白石、吉田松陰、等の有名人も多いです。とにかく深いです。

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2012-02-04 (土) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!

本文注釈:孫子 兵法 大研究!

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『故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり。』:本文注釈

⇒意訳に移動する


国民の意志を君主と同じ意志にするには、生死を共にすべきだとここで言っている。君主と国民が一体となっている感じを、国民の心に刻みつければ、勝利のための盤石な土台ができあがったも同然だということである。これは頭ではわかっているが、殆どの者はできない類の問題である。「生死を共にする」ということは、文字通り「命をかける」という意味でもあるが、ここで孫武が言いたいのは、国民(兵士)をいたわり、気配りをし手を掛けよということであろう。これを大げさに言うと、生死を共にせよ、となる。戦争で勝つために言っているのだから、大げさな表現くらいが丁度いい。そうすれば民は疑わないというのである。では民は何を疑わないのであろうか。それはここでは、「君主の戦争に対する方針・方策を疑わない」という意に解するのが妥当であろう。戦争に勝つには、戦争を起す前に民に疑念を抱かせぬ様生死を共にする決意を国民に伝え、苦楽を共にする覚悟を君主は持つよう、孫武は呉王闔閭に伝えたかったにちがいない。『論語』にも、「民信なくんば立たず。」とあり、また「君子信ぜられて後にその民を労す。」とある。


民-官位などの身分をもたぬ人。被治者。一般の人。たみ。【解字】目を針で刺した形を描いた象形文字。目をつぶされた奴隷の意。

詭-①いつわる。あざむく。こじつける。②あやしい。普通とちがっている。同義語:「奇」


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孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:町田三郎○町田孫子:『道とは民をして上と意を同じうし、これと死すべく、これと生くべくして、危わざらしむるなり。』
(1)宋本には「同意也、故可与之死」と「也故」の二字があって上下の文は切れているが、諸本にしたがってこの二字を除き、続けて読むことにした。
 (2)宋本では「死」「生」の上におのおの「以」の字があるが、諸本にしたがって除いた。
 (3)宋本では「畏危」とある。清の兪樾の説にしたがって「畏」の字を除いた。

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:金谷治○金谷孫子:可以-竹簡本・武経本・桜田本には「以」の字がない『太平御覧』巻二百七十とも合う。
 不畏危-『通典』では「人不佹」。竹簡本は「民不詭」。魏武注に「危とは危疑なり。」とある。清の兪樾の説に従って「畏」の字を除くのがよい。

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:守屋洋○守屋孫子:これがありさえすれば、国民は、いかなる危険も恐れず、君主と生死を共にする。

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:大橋武夫○大橋孫子:畏危-不安

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:佐野寿龍○佐野孫子:民弗詭也-前後の文意を通観すると、清の兪樾の説に従って「畏」の字を除き、民は「危疑」しないと解するのが適当である。一方、「竹簡孫子」には「民弗詭也」とあり、「民詭わざるなり」あるいは、「民詭わざるなり」または「民詭かざるなり」と解せられ兪樾説と合う。

○著者不明孫子:【可與之死】直訳すれば、いっしょに死ぬことができる。上が民とともに死ぬのか、民が上とともに死ぬのか、問題になりうるが、原文はそういう区別を意識せずに書かれていると思われる。
 【佹】疑う(『通典』の杜佑の注)。もとる(戻[もとる。そむく。道理にはずれる。]・払[はらいのける])の意もある。

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:曹操孟徳:魏武帝註孫子:孫子十家註○曹公:之を道びくに教令を以て謂う。危とは危疑なり。

○孟氏:一に人を疑わずして作す。始終二つの志無きを謂うなり。一に人危まず作す。道とは之を道くに政令を以てし、之を斉うるに礼教を以てするを謂う。故に能く民の志を化服して、上下と同一なり。故に兵を用ふるの妙は権術を以て道と為す。大道[人のふみ行うべき正しい道。根本の道徳]廢れて法有り。法廢れて権[①他人を支配する力・資格。いきおい。②はかりの分銅。おもり。はかり。③かり。臨機応変。間に合わせ。正官に準ずるもの。正道によらずに力だけに頼る意から、臨時の便法という③の意を生じた。【解字】形声。右半部「」が音符で、左右がそろう意。「木」を加えて、左右のバランスをとるさおばかりのおもりの意。転じて、他に影響を与える重み、重さをもつ力の意。]有り。権廢れて勢[①他を押さえ従わせる力。いきおい。②自然のなりゆき。様子。③人数。兵力。④男性の生殖器。⑤「伊勢(いせ)」の略。【解字】会意。上半部「」は「芸」(=藝)の原字で、草木を植える意。「力」を加えて、草木を植え育てる人の力の意。[?]は異体字。]有り。勢廢れて術[①わざ。技芸。②手だて。手段。すべ。③はかりごと。【解字】形声。「行」(=みち)+音符「朮」(=したがう)。人びとが通いなれた道、何かをするための手だて、の意。]有り。術廢れて數[①かず。②かずをかぞえる。→古代中国で知識人の基本的教養とされた六芸りくげいの一つ。「礼楽射御書数」③いくつと定めずいくつかのかずを表す語。㋐多くの。㋑いくつかの。三、四の。五、六の。→古くは「ス」と読みの意に、現代語では「スウ」と読みの意に用いることが多い。④めぐりあわせ。運命。⑤はかりごと。⑥しばしば。たびたび。【解字】会意。「婁」(=じゅずつなぎにつながる)+「攵」(=動詞の記号)。順につながっているかずをかぞえる意。]有り。大道淪替[淪替-おちぶれ、すたれる。]すれば、人情訛り僞る。権數を以てして之を取るに非ざれば、則其の欲せんことを得ざるなり。故に其の権術の道、民をして上下進み趨くに同じうし、愛懀に同じうすれば、利害を一にせ使むるなり。故に人心徳に歸せば人の力を得ん。私無くば之至るなり。故に百萬の衆、其の心一の如し。俱に死力を同じくして動き而して危うくして亡ぶに至らざる可きなり。臣の君に於いて、下の上に於いて、子の父の事、弟の兄の事の若く、手臂の頭目を掉[ふりあげる。ふりおこす。]いて胸臆[胸。心中。]を覆うが若しなり。此の如く始めは上と意を同じうし、死生同じく致り危疑に畏懼せられざる可し。

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:杜佑:孫子十家註○杜佑:之を導くに政令を以てし、之を斉うに禮教を以て謂うなり。危とは疑なり。上仁を施すこと有れば、下能く命を致すなり。故に與に存亡の難き處に傾危の敗を畏れず。晋陽の圍、沈竈[水に沈んだかまど]蛙を産むに、人叛疑心無きが若し。

○李筌:危うは亡ぶなり。道を以て衆を理むれば、人自ずから之と化す。其の同じ用を得るに、何をか亡びて之有らん。

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:杜牧:孫子十家註○杜牧:道とは仁義なり。李斯兵を荀卿に問う。對えて曰く、彼の仁義とは政を修むる所以の者なり。政修むるとは則民其の上に親しく、其の君に楽しむ。輕んじて之を為すは死す。復趙の孝成王に對えて兵を論じて曰く、百将心を一にし、三軍力を同じうすれば、臣の君に於けるや、下の上に於けるや、子の父の事、弟の兄の事の若く、手臂の頭目を掉いて胸臆を覆うが若しなり。此の如く始めに上と意を同じうすれば死生同じう致り、危疑を畏懼せざら令む可きなり。

○陳皡:註して杜牧と同じ。

○賈林:将能く道を以て心を為す。人と利を同じうし患いを共にすれば、則士卒服す。自然に心上の者と同じうなるなり。士卒をして我懷しむこと父母の如く、敵を視ること仇讎の如くせ使む者は、道に非ず能くせざるなり。黄石公云わく、道を得る者は昌なり。道を失う者は亡ぶなり。

孫子の兵法:故に之れと死す可く、之れと生く可くして、民詭わざるなり:故可與之死、可與之生、民弗詭:梅堯臣:梅聖兪:孫子十家註○梅堯臣:危は戻る[もとる。そむく。道理にはずれる。]なり。主道有らば則政教行わる。人心同じうすれば則危戻去らん。故に主安を与うれば安なり。主危を与うれば危なり。

○王晳:道は主の道の有るを謂う。能く民心を得ればなり。夫れ民の心を得る者は死力を得る所以なり。死力を得る者は、患難を濟する所以なり。易に曰く、悦は以て難を犯す。民其の死を忘るる。是の如くすれば則安くんぞ難の事を畏危せんや[どうして容易でないことを畏れ危ぶもうか、畏れ危ぶむことはない。]

○張預:危は疑なり。士卒恩を感じ、死生存亡、上と之を同じうし、決然として疑懼[疑いおそれること。]する所無し。


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○金谷孫子:そこで人民たちは死生をともにして疑わないのである。

○浅野孫子:平時からこれが実現されておればこそ、戦時において、民衆に為政者と死生を共にさせることが可能となり、民衆は統治者の命令に疑心を抱かないのである。

○天野孫子:従って民は君主とその死生を同じくして危険を恐れなくなる。

○守屋孫子:これがありさえすれば、国民は、いかなる危険も恐れず、君主と生死を共にする。

○著者不明孫子:そうすれば、生死をともにしようという気持ちになって、民衆は疑うことがない。

○学習研究社孫子:だから、民は君主の命令に従わせることができるので、君主は人民と生きるのも死ぬのも同じであり、しかも人民は君主に対して疑う心を持たないのである。

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