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孫子研究ブログです。孫子兵法は別名『孫子兵経』、『SUNTZU』、『The Art of WAR』ともよばれています。ナポレオンや毛沢東も愛読していました。注釈者には曹操、杜牧、山鹿素行、荻生徂徠、新井白石、吉田松陰、等の有名人も多いです。とにかく深いです。

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2013-03-03 (日) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!

本文注釈:孫子 兵法 大研究!

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『故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。』:本文注釈

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「貴ぶ」の意味は「敬意を表して仰ぎ見る」、「非常に価値がある」、「尊ばれる」となる。この文は「戦争は勝つことに価値があり、長期戦は尊ばれない。」というような意味となる。この意味をよく吟味してみると、勝利はともかく、完全には長期戦を否定している意味ではないことがわかる。これまでの文で、長期戦は国家の財政や民の負担に危機的な状態をもたらし、他国の侵略をも許し、どんな知恵者であってもどうすることもできなくする、と言っており、歴史上長期戦で国に利があったことはないとまで言っている。なのに、ここの文では「久しきは害なり」というような文ではなく、「久しきを貴ばず」と、長期戦に価値は見いだせない、というような意味となっている。つまり、長期戦は価値がないものだが、完全否定はせず、戦争に勝てるのであれば後々の選択肢としては存在しうる、という意味なのである。これは、『謀攻篇』の「謀・交・兵を伐てなければ城を攻める」という文からもその真意が読み取れる。城攻めは基本、長期戦を覚悟しなければならないものである。しかし、孫子は謀・交・兵を伐てなければ城を攻めろ、と言っているのである(ここで注意すべき点があるが、孫子は、城を攻めるにしても、兵を以て攻めるのは下策としており、後の文で「戦巧者は、城を破るにしても攻めるのではなく、自軍の兵を保全させることを主眼におくのだ」と言っているのである。単に兵を以て攻めろとは孫子は言ってはいない。)。この事からも分かるように、長い目で見れば戦略的に自軍の有利となるのであれば、「長期戦」という選択もあり得るということなのである。従って、この文の意訳も長期戦を完全否定しないという含みを残したものにしなければ、孫子の真意から外れたものとなろう。
また、歴史上の長期戦を見ると、日本では豊臣秀吉の城を包囲しての水攻めや兵糧攻めなどが有名である。持久戦に持ち込む場合、相手の城を包囲し、豊富な物資を味方に供給することが勝利への必要条件となるが、昔はこの豊富な物資を供給するということがなかなかできることではなかったのである。しかし、時代が進むにつれて、農業・流通の発達などにより、この条件が満たされ、秀吉の時代には持久戦が可能となった。それまでの日本の戦は、実は籠城していた方が有利で、戦っているうちに援軍が来て敵の後方を突き、城からも打って出て敵を挟撃するのが必勝パターンだったのである。これらの必勝パターンを封じ自軍の兵を損なうことなく、(時間はかかったが)敵の城を落としていった秀吉はまさに『孫子』に通じた用兵を行なっていたといってもおかしくはあるまい。参謀に竹中半兵衛・黒田官兵衛がいたことからも秀吉は兵法に深く通じていたことがわかる。
ちなみに、ここで孫子が言っている「勝つことを貴ぶ」の、「勝つこと」とは何を指しているのかという疑問が残る。『孫子』では、最後に勝てばすべてよいのだ、という趣旨の文は存在しない。つまり、単に勝つことという意味ではないことは明白である。よって、他の意味であることがわかる。この、「勝つこと」に関連する文が、この文の前にあるかどうか見てみると、「故に車戦に車十乗已上を得れば、其の先ず得たる者を賞し、而して其の旌旗を更め、車は雑えて之れに乗らしめ、卒は共して之れを養わしむ。是れを敵に勝ちて強を益すと謂う。」の文があることがわかる。これは敵に勝って敵の軍需物資等を奪い、我が戦力とするという文意のものであるから、「勝つこと」に十分当てはまるものと考えられる。つまり、「勝つこと」とは、敵の力を我が力とすることとイコールであることが分かる。表面上の勝利という字だけ見ていると、見落としてしまいがちであるが、この意味を見逃してはならない。
では、次に「久しきを貴ばず」の、「久しきこと」であるが、これは何を指しているかという問題が当然もう一つ出てくる。これも前の文から読み解いていくと、「其の戦いを用うるや、勝つも久しければ、則ち兵を頓らせ鋭を挫き、力を屈くし貨を殫くさば、則ち諸侯其の弊に乗じて起こる。智者と雖も、其の後を善くすること能わず。故に兵は拙速を聞くも、未だ巧久しきを睹ざるなり。夫れ兵久しくして国利あるは、未だ之れ有らざるなり。」の文が、この長期戦を戒めたものに該当することから、「久しきを貴ばず」の「久しきこと」の意味も、「長期戦においては利益となることは決してない」というものになることが分かる。つまり、「久しきを貴ばず」の意訳は、「国の利益となることは決してありえないので、高く評価することはない」となる。逆に言えば、歴史上はなかったことだが、国の利益となるような長期戦であれば高く評価をしないということもない、ということである。ここでも、単に「久しきを貴ばず」という表面上の字からは、ここまで読み解くことはできないが、『孫子』を深く読み解き、「久しきこと」とはどういう意味のことを孫子がいっているのかを明らかにすれば、正しい理解を得ることができる。


貴-①身分が高い。とうとい。あて。②ねだんが高い。ねだんが上がる。大切である。とうとぶ。③相手にかかわる事物に冠して、敬意を表す語。【解字】会意。「貝」(=財貨)+「臾」(=両手で高く持ち上げる)。高いねだん、目だつ財貨の意。

久-ひさしい。時間的に長い。長時間そのままになっている。【解字】会意。背の曲がった老人と、これを引き止める意を示す印とから成る。曲がりくねって長い意、長く止まる意などを表す。





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孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:天野鎮雄○天野孫子:○兵貴勝不貴久  この句について『大全』は「速を貴ぶと曰はずして勝を貴ぶと曰ふ。字を下すに極めて斟酌[しん‐しゃく【斟酌】(水または飲料などをくみわける意から)①あれこれ照らし合わせて取捨すること。参酌(さんしゃく)。②その時の事情や相手の心情などを十分に考慮して、程よくとりはからうこと。手加減すること。③ひかえめにすること。さしひかえること。遠慮。辞退。]あり。速かにして勝たずんば何ぞ速かを貴ばん。惟速かにして能く勝つ。此れ貴ぶに足る所以なり。久しきの貴ぶに足らざる若きは、又何ぞ言ふを待たん」と。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:守屋洋○守屋孫子:戦争は勝たなければならない。したがって、長期戦を避けて早期に終結させなければならない。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:フランシス・ワン仏訳 孫子○フランシス・ワン孫子:註 一、「兵は勝つを貴び、久しきは貴ばず」 曹操は「久しければ則ち利あらず」と註し、さらに七項の李筌の註、「兵は猶火の如きなり。戢(おさ)めざれば将に自らを焚(や)かんとす」を引用している。張豫も「久しければ則ち師老い財竭き、変を生じ易し」と繰り返すこと同断である。「拙速」が、方略が多少拙くとも戦機を主体として速やかに勝負に出でよなどといったいわゆる速勝の奨めではなく、戦争を速やかに短期に終結に導くための要訣として言うものであることは、本項によって一層明らかであろう。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:重沢俊郎○重沢孫子:もともと戦争は、勝利を貴び、持久戦を貴ばない。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:佐野寿龍○佐野孫子:【語釈】◎故兵貴勝、不貴久 戦争の目的は勝利にあり、戦争の長期化ではない、の意。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:山鹿素行:孫子諺義○孫子諺義:『故に兵は勝つことを貴んで久しきことを貴ばず』
 此の一句初段に云ふ處の、其の用ひて戦を勝やと云ふ勝の字と相應ずるなり。兵は勝つべきがため也、久しく弄するをよしと云ふにあらざる也。速かなるを貴ぶといはずして勝つことを貴ぶと云ふは、速かにても勝たざるときは兵の本意にあらざるゆゑ也。此の一句上文を結して、久しきことを貴ばずと云へる也。一篇の首尾鉏鋙[そ‐ご【齟齬】(上下の歯がくいちがう意)くいちがい。ゆきちがい。]せざる也。大全に曰はく、速なるを貴ぶと曰はずして勝つことを貴ぶと曰ふ、字を下すこと極めて斟酌有り、速にして勝たずんば、何ぞ速なるを貴ばん、惟だ速にして能く勝つ、此れ貴ぶに足る所以也、久しきの貴ぶに足らざるが若きは、又何ぞ言ふを待たん。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:荻生徂徠:孫子国字解○孫子国字解:『故に兵は勝つことを貴て、久きを貴ず』
 この段は一篇の大意を結べり。一篇の内に、右の如く委細に説たる道理なるうへに、軍は勝つことを貴べども、久しく戦ふことを貴ばず、勝つとも久しく戦はば其費多からん。戦をやめて早く引取るべし。上の文に云へる如く、戦を以て敵を殺し、貨を以て敵を懷け、一邊に滯らざる時は、速勝の利を得べしとなり。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:吉田松陰:孫子評註○孫子評註:『故に兵は勝を貴びて久を貴ばず。』 此の篇の主意、久を持して敵を制するに在り(長期戦の構えをして敵を制圧することにある。)。反(かえ)つて人の久を以て貴しと為さんことを恐る、故に言ふ。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:曹操孟徳:魏武帝註孫子:孫子十家註○曹公:久しければ則ち利ならず。兵猶ほ火の如きなり。戢(おさ)めざれば将に自らを焚(や)かんとす。

○孟氏:速勝・疾還を貴ぶなり。

孫子の兵法:故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。:故兵貴勝、不貴久。:梅堯臣:梅聖兪:孫子十家註○梅堯臣:上に言う所の皆速きを貴ぶなり。速ければ則ち財用を省き民の力を息す[①いき。呼吸。呼吸する。②生きる。生存する。③やすむ。いこう。④やむ。やめる。しずめる。⑤生まれたもの。㋐生んだ子。特に、むすこ。㋑利子。元金を親に、利子を子にたとえる。【解字】会意。「自」(=鼻)+「心」。心臓の動きによって鼻で(やすらかに)いきをする意。]なり。

○何氏:孫子の首尾[しゅ‐び【首尾】①くびとお。②はじめとおわり。終始。③物事のなりゆき。事のてんまつ。結果。④都合よくゆくこと。都合をつけること。都合。]兵久しきの理を言う。蓋し兵は玩(もてあそ)ぶ可からず、武は黷(けが)す可からずを知るは之れ深きなり。

○張預:久しければ則ち師老いて財竭き、以て變を生じ易し。故に但だ其の速勝・疾歸を貴ぶ。


意訳
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○金谷孫子:以上のようなわけで、戦争は勝利を第一とするが、長びくのはよくない。

○浅野孫子:こうした理由から、戦争ではすみやかな勝利をこそ最高と見なして、決して長期戦を高く評価したりはしない。

○町田孫子:そこで、戦争は勝利を至上とするものではあるが、長期戦によるのはよくない。

○天野孫子:それゆえ、戦争は敵に勝つことを貴び、持久戦になることをいやしむのである。

○フランシス・ワン孫子:戦争の目的は勝利にあり、戦争の長期化ではない。

○大橋孫子:戦いは勝つことが大切であるが、勝てばよいというものではない。勝っても長引いてはだめなのである。

○武岡孫子:以上のようなわけで、戦争は勝利を目的とするが長びかせてはならない。

○著者不明孫子:このように、戦争は勝つことが重要なのであって、長期にわたるのはよろしくない。

○学習研究社孫子:従って、戦闘は、勝つということを尊重するものではあるが、勝ちいくさでも長期戦になるというのは尊重しない。

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