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孫子研究ブログです。孫子兵法は別名『孫子兵経』、『SUNTZU』、『The Art of WAR』ともよばれています。ナポレオンや毛沢東も愛読していました。注釈者には曹操、杜牧、山鹿素行、荻生徂徠、新井白石、吉田松陰、等の有名人も多いです。とにかく深いです。

孫子 兵法 大研究!トップ⇒孫子兵法問題集:孫子 兵法 大研究!
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2013-01-07 (月) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集:孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集(6)

いにしえの名軍師にまさるとも劣らない智恵をあなたのものに!








【1問目】『孫子』冒頭の言葉、「兵は国の大事なり。」の「兵」の解釈は、現在「戦争」とするのが主流となっていますが、では、北条氏長の『士鑑用法』や、山鹿素行の『孫子句読』では、「兵」をどのように解釈しているでしょう?

(1)兵士
(2)軍事
(3)武器
(4)武術

【2問目】『孫子』計篇から問題です。
「故に之れを経するに五を以てし、之れを効すに計を以てし、以て其の情を索む。」、の「経」の字の解釈には諸説ありますが、次のうち「経」の字の解釈として適当でないものはどれでしょう?

(1)大綱
(2)おさめる
(3)度(はか)る
(4)学ぶ

【3問目】計篇の「五事」の一つ、「天」の説明で「天とは陰陽・寒暑・時制なり。」、とありますが、この「陰陽」の解釈には諸説が存在します。では、この「陰陽」の解釈として、適当でないものは次のうちどれでしょう?

(1)日取、時取、方角、年月の吉凶、十干、十二支、五運のくり様、雲気煙気の見様。
(2)明暗、晴雨、乾湿
(3)陰陽師、卜占、天官、聖人・君子
(4)剛柔、晦朔、三光、盈縮

【4問目】計篇の、「七計」の中で、次のうち当てはまらないものはどれでしょう?

(1)賞罰孰れか明らかなる。
(2)兵衆孰れか強き。
(3)法令孰れか行わる。
(4)主孰れか能なる。

【5問目】『十一家註孫子』に、「地とは遠近・険易・広狭・死生なり」とみえますが、諸説ある「死生」の解釈として、適当でないものは次のうちどれでしょう?

(1)地形の高い所を「生」、低い所を「死」。
(2)疫病が流行し死者が多い地を「死」、人が生き生きと暮らせる良い環境の地を「生」。
(3)草木が繁茂している地を「生」、荒れ地を「死」。
(4)軍隊の死生を決める地勢。

【6問目】計篇の、「五事」のひとつ、「将」の「五能」とよばれるもののうち、適当でないものは次のうちどれでしょう?

(1)勇
(2)厳
(3)義
(4)智

【7問目】計篇の、「詭道十四変」とよばれるもののうち、適当でないものは、次のうちどれでしょう?

(1)佚にして之れを労す。
(2)近くとも之れに遠きを視(しめ)す。
(3)怒にして之れを撓(たわ)める。
(4)強にして之れに備える。

【8問目】計篇の、「勢とは利に因りて権を制するなり。」の文の、「権」の解釈には諸説ありますが、さて、次のうち「権」の解釈として、適当でないものはどれでしょう?

(1)バランス
(2)道理
(3)臨機応変の対応
(4)権謀術数

【9問目】計篇の、「夫れ未だ戦わざるに廟算して勝つ者は、算を得ること多ければなり。」の文の、「廟算」の意味として、適当なものは次のうちどれでしょう?

(1)宗廟で君臣一同、彼我の戦力を比較検討すること。
(2)祖廟で君主が座して、占い師が戦争の勝負を占うこと。
(3)朝廷において、敵の力の情報収集および敵の戦力を計算し、必勝を祖先の霊に誓うこと。
(4)廟堂において、軍師が一人籠って戦争をシュミレーションすること。

【10問目】世に有名な「風林火山」の句は『孫子』の何篇にでてくるでしょう?

(1)軍争
(2)火攻
(3)行軍
(4)九変










【1問目解説】

正解は(1)。

この、「士」という解釈では、狭義すぎるので、現在では用いられておりません。

ちなみに、山鹿素行は、最初は師である北条氏長の「士=兵士」という解釈を引き継いでいましたが、のちに『孫子諺義』を著したときには、「軍旅=いくさ」と解釈を改めています。

(2)の「軍事」という解釈もなかなかよいのでは、と私はちなみに思っています。


【2問目解説】

正解は(4)。

「経」の字は、数多の注釈家がさまざまな解釈を試みています。
主な解釈としては、「経度=はかる」、「縦糸の意味から変じて、大綱」、「経緯、経権の字義から、常、または常法」、「おさめるの意味から、軍備をなす」があります。

あなたならどう解釈しますか?


【3問目解説】

正解は(3)。陰陽師・卜占・天官は、「陰陽」の意味に含まれますが、聖人・君子は含まれません。

(1)は『孫子国字解』(荻生徂徠)の解釈。

(2)は現在の主な解釈の一部。とくに、「太陽の光の明暗」という解釈が多い。また、『孫子』本文で、迷信の類を否定している文があることから、荻生徂徠の解釈にあるようなものは、現在の注釈家は否定している。

(4)は『国語』の越語の注。


【4問目解説】

正解は(4)。

「主孰れか有道なる」が正しい。
または、「将孰れか能なる(有能なる)」が正しい。

これらの彼我の比較検討が戦争の勝敗を決める。自分はすごくがんばったと思っても、相手がそれ以上であれば負けてしまうのである。客観的な目を持ちましょう!


【5問目解説】


正解は(2)。

ここでの「死生」に当てはまるものは、いずれも「地勢」をさしており、それ以外のもの(疫病など)は関連していない。

あなたならどう解釈する?


【6問目解説】

正解は(3)。

将の五能とは、「智・信・仁・勇・厳」を指す。

孫子は、五能の始めに「智」を挙げていますが、「智」を最重要視していたのはこのことからもわかります。


【7問目解説】

正解は(4)。

正しくは、「強にして之れを避く。」、または「実にして之れに備える。」となる。

孫子は「兵とは詭道なり。」と、敵に勝つには敵を欺くことが基本である、といっています。嘘をつくのが上手な人は現代の世でも得をしています。あなたも孫子に倣い、上手な嘘をつけるよう特訓しましょう!


【8問目解説】

正解は(2)。「道理」という意味はない。

「権」とは、もともと「秤のおもり」という意味で、この意味を発展させ、「臨機応変の処置」や「バランス」という意味が各注釈者から生じた。
また、「ものごとをはかり考えること」の意味から、「権謀」という解釈もある。


【9問目解説】

正解は(1)。

正解のポイントは、
1、宗廟(祖廟)または朝廷(廟堂)において、
2、君主と家臣が一同会して、
3、敵と味方の戦力を把握し、作戦・計画をたてること。

の以上となる。

よって、(2)は占うことと言っているので間違い。

(3)は自分の側の力がわからないから間違い。

(4)は軍師一人だけが、計算しているので間違い。


【10問目】解説


正解は(1)。

「其の疾きことは風の如く…」は、「武田信玄」の旗印として有名ですが、何篇にでてくるかまで答えられる人はなかなかいなかったのでは…。

豆知識としてどうぞ。










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2013-01-07 (月) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集:孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集(5)

私がよりディープな『孫子』の世界にあなたを誘います。さあこの問題が解けるかな!?








【1問目】『孫子』火攻篇の本文に、「凡そ火攻に五あり。一に曰く 火人、二に曰く 火積、三に曰く 火輜、四に曰く 火庫、五に曰く 火隧。」、とありますが、この『火隧(かつい)』の意味として適当なものはどれでしょう?

(1)民家に火をかけること。
(2)火薬を用い爆発させること。
(3)橋などの行路に火をかけること。
(4)城塞に火をかけること。

【2問目】『孫子』形篇の本文に、「勝を称(はか)る者の民を戦わしむるや、(1)を千仞(せんじん)の谿(たに)に決するが若き者は、形なり。」、とみえますが、この空欄(1)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)激水
(2)積水
(3)木石
(4)円石

【3問目】『孫子』勢篇の本文に、「乱は治に生じ、怯は勇に生じ、弱は強に生ず。治乱は(1)なり。勇怯は(2)なり。強弱は(3)なり。」、とみえますが、さて、空欄(1)、(2)、(3)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)(1)形  (2)数  (3)勢
(2)(1)勢  (2)形  (3)数
(3)(1)形  (2)勢  (3)数
(4)(1)数  (2)勢  (3)形

【4問目】『孫子』用間篇の本文に、「(1)に非ざれば間を用うること能わず、(2)に非ざれば間を使うこと能わず、(3)に非ざれば間の実を得ること能わず。」、とみえます。「間」とは間諜(スパイ)のことですが、では、(1)、(2)、(3)の空欄に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)(1)君子  (2)忠信  (3)賢
(2)(1)聖智  (2)仁義  (3)微妙
(3)(1)愛民  (2)廉潔  (3)厳
(4)(1)上智  (2)明君  (3)神紀

【5問目】『孫子』虚実篇の本文に、「故にこれを策(はか)りて(1)を知り、これを作(おこ)して(2)を知り、これを形(あらわ)して(3)を知り、之れに角(ふ)れて(4)を知る。」とありますが、さて、空欄(1)、(2)、(3)、(4)に入る組み合わせとして正しいものは次のうちどれでしょう?

ア 死生の地 イ 得失の計 ウ 有余不足の処 エ 動静の理

(1)(1) エ (2) イ (3) ア (4)ウ
(2)(1) ウ (2) ア (3) エ (4)イ
(3)(1) イ (2) エ (3) ア (4)ウ
(4)(1) ア (2) ウ (3) イ (4)エ

【6問目】『孫子』九変篇の本文に、「是の故に、智者の慮は必ず(1)(2)に雑(まじ)う。(1)に雑りて而(すなわ)ち務めは信なるべきなり。(2)に雑りて而ち患(うれ)いは解くべきなり。」、とありますが、さて空欄(1)、(2)に入る言葉はどれでしょう?

(1)(1)利   (2)害
(2)(1)奇   (2)正
(3)(1)強   (2)弱
(4)(1)安   (2)危

【7問目】『孫子』行軍篇の本文に、「敵近くして静かなる者は其の険を(1)。敵遠くして戦いを挑む者は人の進むを(2)。其の居る所の易なる者は(3)。」とあり、(1)、(2)、(3)には次のア、イ、ウの言葉が入りますが、組み合わせとして正しいものは次のうちどれでしょう?

ア 利するなり イ 恃むなり ウ 欲するなり

(1)(1)ア  (2)イ  (3)ウ
(2)(1)ウ  (2)ア  (3)イ
(3)(1)イ  (2)ア  (3)ウ
(4)(1)イ  (2)ウ  (3)ア

【8問目】『孫子』九地篇で、地形の用兵の法の一つに「衢地(くち)」があり、その説明で、「先に至らば而ち天下の衆を得る者は衢と為す。」とありますが、さて、もしも自分の軍が衢地に至った時はどうすべきであると孫子は言っているでしょうか?

(1)間髪を入れず死闘せよ。
(2)隊列を切り離してはならない。
(3)敵に先にそこを占拠された場合は、攻めてはならない。
(4)諸侯たちと親交を結べ。

【9問目】『孫子』九地篇の本文に、「無法の(1)を施し、無政の(2)を懸くれば、三軍の衆を犯(もち)うること一人を使うが若し。」、とみえますが、さて、空欄(1)、(2)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)(1)慈  (2)徳
(2)(1)賞  (2)令
(3)(1)功  (2)善
(4)(1)政  (2)法

【10問目】『孫子』九変篇の本文に、「諸侯を屈する者は(1)を以てし、諸侯を役する者は(2)を以てし、諸侯を趨(はし)らす者は(3)を以てす。」、とありますが、さて、この空欄(1)、(2)、(3)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)(1)業  (2)利  (3)害
(2)(1)利  (2)害  (3)業
(3)(1)害  (2)業  (3)利
(4)(1)業  (2)害  (3)利









【1問目解説】

正解は(3)。

『通典』では「火墜」とあり、十一家の注釈者の梅堯臣、賈林、何延錫の註には「火隧」の文字がみえる。

「隧」は、道路の意味であるが、特に両側を塀で囲い、外からみえないようにしてある甬道(ようどう)や、崖に沿って木を組み渡してある桟道(さんどう)を指す。

この文の意訳は、「およそ火を用いる攻撃には五種類ある。第一は、兵営に火を放ち兵士を焼き討ちする火人、第二は、野外の集積所に貯蔵されている物資を焼き払う火積、第三は、物資を輸送中の輜重部隊を焼き討ちする火輜、第四は、屋内に物資を保管している倉庫を焼き払う火庫、第五は甬道や桟道などの行路を炎上させる火隧である。」、となる。


【2問目解説】

正解は(2)。

因みに、住宅産業の積水ハウスやセキスイハイムなどの、「積水」の名前の由来は、『孫子』のこの文章にあるそうです。十分な用意・体制を持って一気に決める勝者の戦いをすることが大切である…という気持ちが込められている、ということです。なるほど!

この文の意訳は、「彼我の勝敗を計量する者は、人民を戦闘させるに当たり、満々とたたえた水を千仞の谷底へ決壊させるように仕組むのである。それこそが勝利に至る態勢である。」、となる。


【3問目解説】

正解は(4)。

この文の意訳は、「混乱は整治から生まれ、臆病は勇敢から生まれ、軟弱は剛強から生まれる。(これらはそれぞれに動揺しやすく、互いに移りやすいものである。)乱れるか治まるかは、部隊の編成(分数)の問題である。臆病になるか勇敢になるかは、戦の勢いの問題である。弱くなるか強くなるかは、軍の態勢の問題である。」、となる。


【4問目解説】

正解は(2)。

(4)の上智、神紀は用間篇にでてくる言葉。「上智」は優れた知恵者、「神紀」の「神」は、神秘不可思議の意で、間諜の用い方が外に洩れない巧妙さを褒めた言葉。「紀」は治に同じ。間諜の治め方、用い方、の意。

この文の意訳は、「聡明な思慮深さがなければ間諜を利用することができず、思いやりが深くなければ間諜を使うことができず、微妙な事まで察知する洞察力がなければ間諜の情報の真実を把握できない。」、となる。


【5問目解説】

正解は(3)。

この文の意訳は、「そこで、(戦いの前に敵の虚実を知るためには、)敵情を目算してみて、利害損得の見積もりを知り、敵軍を刺戟して動かせてみてその行動の基準を知り、敵軍のはっきりした態勢を把握して、その敗死すべき地勢と敗れない地勢とを知り、敵軍と小競り合いをしてみて優勢な所と手薄な所とを知るのである。」、となる。


【6問目解説】

正解は(1)。

物事はかならず「利」と「害」の両面を考えるようにしましょう。利だけにとらわれると、足元をすくわれますよ。

この文の意訳は、「こういう理由で、智者の考えというものは、(ひとつのことを考えるのに)必ず利と害とを交え合わせて考える。利益のあることにはその害になる面も合わせて考えるから、仕事はきっと成功するし、害のある事にはその利点も合わせて考えるから、心配事も解消する。」、となる。


【7問目解説】

正解は(4)。

敵がこういう行動をとっている場合は、こういうことである、という状況認識の仕方をのべている。これは本文のほんの一例。

この文の意訳は、「敵がこちらの近くに居りながら静まりかえっているのは、その地形の険しさを頼みとしているのである。敵が遠くに居ながら合戦を仕掛けるのは、こちらの進撃を望んでいるのである。その陣所が険しい地形でなく平坦な所にあるのは、利益を示して誘い出そうとしているのである。」、となる。


【8問目解説】

正解は(4)。

本文に「衢地には則ち交を合わせる。」とみえる。

(1)は死地の場合の対処方法。
(2)は交地の場合のこと。
(3)は争地の場合のこと。

これから行く地、いま自分がいる地は何の地に当たるのか把握することが大事、ということである。


【9問目解説】

正解は(2)。

日本では、織田信長が、無法の賞を部下にやるのが巧妙であったと言われています。

この文の意訳は、「普通のきまりを越えた重賞を施し、普通の定めにこだわらない非常措置の禁令を掲げるなら、全軍の大部隊を働かせることもただの一人を使うようなものである。」、となる。


【10問目解説】

正解は(3)。

これを基本として、応用すれば、他国の蓄え・戦力を、労費・疲労させ、翻弄することができる、ということである。

この文の意訳は、「外国の諸侯を屈服させるには、その害になることばかりを強調し、外国の諸侯を使役するにはどうしても手を付けたくなるような魅力的な事業を仕向け、外国の諸侯を奔走させるには、その利益になることばかりを強調するのである。」、となる。










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2013-01-05 (土) | 編集 |
孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集:孫子 兵法 大研究!

孫子兵法問題集(4)

オリジナル問題集です。「論語に始まり、孫子に終わる」と言われている『孫子』の兵法を生涯学ぶべし!








【1問目】『孫子』虚実篇の本文に、「夫れ(1)の形は(2)に象(かたど)る。(2)の行は高きを避けて下(ひく)きに趨(おもむ)く。(1)の形は実を避けて虚を撃つ。(2)は地に因りて行を制し、(1)は敵に因りて勝を制す。故に(1)に常勢なく、常形なし。」、とありますが、では、この空欄(1)、(2)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)(1)軍  (2)車
(2)(1)兵  (2)円石
(3)(1)軍  (2)無形
(4)(1)兵  (2)水

【2問目】『孫子』軍争篇の本文に、「甲を巻きて趨(はし)り、日夜処(お)らず、道を倍して兼行し、百里にして利を争うときは、則ち(1)。勁(つよ)き者は先きだち、疲るる者は後(おく)れ、其の法十にして一至る。五十里にして利を争うときは、則ち(2)。」、とありますが、さて、空欄(1)、(2)に入る言葉はどれでしょう?

(1)(1)将の過ちなり  (2)用兵の災いなり
(2)(1)三将軍を擒(とりこ)にせらる  (2)上将軍を蹶(たお)す
(3)(1)諸侯の難至る  (2)軍を乱して勝を引く
(4)(1)深間も窺うこと能わず  (2)智者も謀ること能わず

【3問目】『孫子』九地篇より問題です。本文に、「是の故に始めは(1)の如くにして、敵人 戸を開き、後は(2)の如くにして、敵 拒(ふせ)ぐに及ばず。」とありますが、では、この空欄(1)、(2)に入る言葉はどれでしょう?

(1)(1)嬰児  (2)驕子
(2)(1)群羊  (2)率然
(3)(1)泰山  (2)江河
(4)(1)処女  (2)脱兎

【4問目】『孫子』行軍篇の本文に、「軍の旁(かたわら)に(1)、必ず謹んでこれを覆索せよ。此れ伏姦の処(お)る所なり。」とありますが、さて、この空欄(1)に入る言葉は次のうちどれでしょう?

(1)険阻・潢井・葭葦・山林・翳薈ある者は
(2)衆樹の動く者、衆草の障(おおい)多き者、鳥の起つ者、獣の駭(おどろ)く者あらば
(3)山林・険阻・沮沢の形あらば
(4)絶澗・天井・天牢・天羅・天陥・天隙あらば

【5問目】『孫子』九地篇の本文に、「塗(みち)に由らざる所あり。軍に撃たざる所あり。城に攻めざる所あり。地に争わざる所あり。(1)に受けざる所あり。」とありますが、さて、空欄(1)に入る言葉はどれでしょう?

(1)天命
(2)地の利
(3)君命
(4)賞罰

【6問目】『孫子』の兵法に、「故に三軍の親は(1)より親しきは莫(な)く、賞は(1)より厚きは莫く、事は(1)より密なるは莫し。」とありますが、さて、この空欄(1)に入る言葉はどれでしょう?

(1)将
(2)謀臣
(3)嚮導
(4)間

【7問目】『孫子』軍争篇の本文に、「故に三軍には気を奪うべく、将軍には心を奪うべし。是の故に朝の気は(1)、昼の気は(2)、暮れの気は(3)。故に善く兵を用うる者は、其の(1)気を避けて其の(2)(3)を撃つ。」とみえますが、さて、この空欄(1)、(2)、(3)に入る言葉はどれでしょう?

(1)(1)満  (2)欠  (3)落
(2)(1)鋭  (2)惰  (3)帰
(3)(1)勝  (2)敗  (3)亡
(4)(1)険  (2)方  (3)円

【8問目】「孫・呉の書を蔵する者は、家ごとに之れ有り。」と古の中国の文献にみえますが、さて、この文が載っている書物の名前は何でしょう?

(1)淮南子
(2)呂氏春秋
(3)韓非子
(4)史記

【9問目】「吾れ兵書・戦策を観ること多きも、孫武の著(しる)す所は深し。」とある昔の文献に記載されていますが、さて、この文章を著した人は誰でしょう?

(1)曹操
(2)司馬遷
(3)孫臏
(4)武田信玄

【10問目】第一次大戦終結後に亡命先のロンドンで初めて『孫子』に接し、もし、二十年前にこの書を得ていたならば、あのような惨敗を免れたであろうに、と悔やんだ人は誰でしょう?

(1)ナポレオン
(2)ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世
(3)ロシア皇帝ニコライ2世
(4)ドイツ皇帝ウィルヘルム2世









【1問目解説】

(4)が正解。

この本文の意訳は、「そもそも軍の形は水を模範とする。水の運行は高い場所を避けて低い場所へと走る。同じように軍も、敵の兵力が優勢な実の地点を回避し、敵の備えが手薄な虚の地点を攻撃して勝利する。だから水は地形に従って運行を決定し、軍は敵の態勢に従って勝利を決定する。軍にはできあがった一定の勢いというものはなく、決まりきった固定した形というものもない。」、となる。


【2問目解説】

(1)は九変篇の言葉。

(2)が正解。

(3)は謀攻篇の言葉。

(4)は虚実篇の言葉。

一里は当時の中国で約400メートル。百里で40km。五十里で20km。40kmに渡って軍がバラバラになれば、全将軍が捕まってしまうと言っています。

この文の意訳は、「こういうわけで、よろいをはずして走り、昼も夜も休まずに道のりを倍にして強行軍し、百里の先きで有利な地を得ようと競争するときには、(上軍・中軍・下軍の)三将軍ともに捕虜にされる(大敗となる)。強健な兵士は先きになり、疲労した兵士は後におくれて、そのわりあいは十人のうちの一人が行きつくだけである。(またこのようにして)五十里の先きで有利な地を得ようとして競争するときには、(先鋒の)上将軍がひどいめにあう。」となる。


【3問目解説】

(1)は地形篇の言葉。嬰児は赤ん坊、驕子は驕り高ぶった子供。

(2)は九地篇の言葉。群羊は従順な軍隊のたとえ、率然は動きの素早い蛇の名前。

(4)が正解。

結構有名な言葉だったから一度は聞いたことがあるかもしれません。


【4問目解説】

(1)が正解。

この文の意訳は、「軍隊の近くに、けわしい地形や池や窪地や葦の原や山林や草木の繁茂した所があるときには、必ず慎重に繰り返して捜索せよ。これらは伏兵や偵察隊の居る場所である。」、となる。

(2)は行軍篇の言葉。この本文の後に見える言葉。

(3)九地篇の言葉。「山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行(や)ること能わず。」の言葉から引用。

(4)は行軍篇の言葉。「凡そ地に絶澗・天井・天牢・天羅・天陥・天隙あらば、必ず亟(すみや)かにこれを去りて、近づくこと勿(な)かれ。」と見える。


【5問目解説】

(3)が正解。

この文の意訳は、「道路は(どこを通ってもよさそうであるが)通ってはならない道路もある。敵軍は(どれを撃ってもよさそうであるが)撃ってはならない敵軍もある。城は(どれを攻めてもよさそうであるが)攻めてはならない城もある。土地は(どこを奪取してもよさそうであるが、)争奪してはならない土地もある。君命は(どれを受けてもよさそうであるが)受けてはならない君命もある。」、となる。


【6問目解説】

(3)はその土地に詳しい案内役のこと。

(4)が正解。

間は間諜=スパイのこと。
当時、スパイを制するものが戦争を制していたと言っても過言ではない。これは現代においてもそうであることは疑う余地もない。

この文の意訳は、「そこで、全軍の中での親近さでは間諜が最も親しく、賞与では間諜のが最も厚く、仕事では間諜のが最も秘密を要する。」、となる。


【7問目解説】

(2)が正解。

この文の意訳は、「だから、(敵)の軍隊についてはその気力を奪い取ることができ、(敵の)将軍についてはその心を奪い取ることができる。そこで、朝方の気力は鋭く、昼ごろの気力は衰え、暮れ方の気力は尽きてしまうものであるから、戦争の上手な人は、相手の鋭い気力を避けてその衰えてしぼんだところを撃つ。」となる。


【8問目解説】

(3)が正解。

とにかく、昔の中国全土に普遍していたのがわかります。


【9問目解説】

(1)が正解。

この文は魏武帝「孫子序」にみえます。
曹操は孫武の言葉に大変感銘を受けたようで、「魏武帝註孫子」という、孫子注釈書において一番有名な書物をつくっています。「魏武帝註孫子」は後世の注釈家に大きな影響を与えました。


【10問目解説】

(1)のナポレオンも『孫子』を愛読していたそうです。

(2)のハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は、1914年にフランツ・フェルディナント大公夫妻が暗殺されると(サラエボ事件)、この事件に端を発してセルビア王国への宣戦布告を行うこととなる。この一連の流れは第一次世界大戦の引き金ともなった。

(3)ロシア皇帝ニコライ2世は、日露戦争・第一次世界大戦において指導的な役割を果たすが、革命勢力を厳しく弾圧したためロシア革命を招き、一家ともども殺された。

(4)が正解。

これも、『孫子』を読んだことがある人は、一度は目を通したことがある逸話の一つかもしれません。










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